2003年06月16日の一覧
嬉しい再会
Kちゃんがうちにやってきたのは、もう16年も前・・・
Kちゃんが年中さん、4歳の時でした。
同じ幼稚園の仲良し4人組が同時にスタートと言うことで、
最初の数ヶ月はグループレッスンの形を取りました。
4人の中でも一番おちびさん・・・
でもお人形さんのように可愛いKちゃんでした。
みんなでピアノの周りに集まって歌を歌うとき・・・
Kちゃんはいつも、
私が伴奏している手元をじーーっと見ていました。
私が曲の終わりに「タララ~ン・・・」と高音部で分散和音を鳴らすと・・・
彼女はツカツカっとピアノのところにやって来て
「タララ~ン・・・」と真似をする・・・そんな子でした。
ピアノを弾く事にすごく興味があるんだなー・・
この子は伸びるな・・・そう思いました。
その後、私の予想通り、小さな体ですがめきめきと力をつけて
いろいろなコンクールにも参加するようにもなり
何度か賞も頂きました。
中学に入った頃からは、ショパンやシューマンや
数々のレパートリーをこなしていってくれ、
発表会や他のコンサートなどでも
いつも素敵な演奏を聞かせてくれていました。
そんなKちゃんですが、高校1年の時、
突然いろいろな事情でピアノを辞めることになりました。
もちろん私は残念で残念で・・・
「夏休みとか・・・長い休みにはね、先生のところのピアノ弾きに来て!約束ね!」
と最後のレッスンの時に彼女に言った記憶があります。
そして・・・先日その彼女から突然メールがありました。
彼女がうちを辞めてから、4年が経っています。
私のHPを見つけて懐かしくて感激した!と・・・
またピアノを始めたくって・・・と書いてありました。
そして私とした約束もちゃんと覚えていてくれたようでした。
「夏休み、弾きに行かなくてごめんなさい・・・」と・・・
先週の土曜日、彼女がうちに訪ねてきてくれました。
「私、相変わらずちびっこですよ」と書いてあったけれど、
20歳になった彼女、とってもキュートな女性に変身していました。
さっそく2人でイタリアンを食べに・・・
久々の再会だけど、昔々のレッスンの時の話、
一緒にうちに来ていたお友達の話、大学に入ってからのバイトの話・・・
と話題は尽きませんでした。
で・・・私が彼女にどうしても聞きたかったこと・・・
今真っ只中のコンクールのことです。
「Kちゃんも、たくさん出たよね。コンクール・・・
どうだった?いろいろ大変な思いもしたよね。
それって・・・やっぱり辛かった?」
そうしたら彼女、とても明るい顔で・・・
「いや~、楽しかったですよ~!今でもね、すごくいい思い出です!」
ときっぱり答えてくれました。
「私に遠慮してない?」と言うと・・・
「いーえ~!ダメだった時も、賞に入った時も・・・
全部ひっくるめてとってもいい思い出!」と・・・
なーんか救われた気がしました。
先週から始まったコンクール、
各会場で結果発表のあと、泣きじゃくっている子供たちを見ます。
そんな子供たちを見ると、自分の生徒でなくても胸が痛みます。
ピアノで泣かないで・・・ピアノはみんなを幸せにしてくれるものなのにって・・・
うちの生徒も、賞に入った子、賞に届かなかった子、さまざまです。
でもみんなみんな、Kちゃんのように
「すんごい楽しい思い出です!」と言ってくれるようになったらいいな、
と願うのみです。
Kちゃん・・・今週の土曜日からレッスンを再開してくれます。
一生懸命働いたバイト代を使って来てくれるのかな?
私も一生懸命期待に応えねば・・・です。