2003年09月21日の一覧
三善晃先生
一昨日は、三善晃先生の
「ラヴェル演奏の真のアプローチへの鍵｣という
公開講座を受けてきました。
三善晃先生･･･日本を代表する作曲家のお１人ですが、
お目にかかるのは初めて･･･
どんな方だろう･･･と楽しみに出掛けて行きました。
思った通り･･･と言うか、思った以上に
とても自然体で、飾らない、穏やかで素敵な先生でした。
まずは前半は、ラヴェルを生んだフランス芸術のお話から･･･
留学されていた時のエピソードを交えながら、
フランス人の資質、何を誇りに思い、何を大切に生きているか･･･などなど
とっても興味深いお話でした。
後半は、今回編集された「ラヴェル･ピアノ作品選集｣のお話でした。
この編集にあたっての先生の熱意はすごい！
演奏者を含めた最高のスタッフを揃え、自筆譜、筆写譜、
初版本、既版本を研究する事はもちろんのこと、
ラヴェルが実際にレッスンをした時の書き込み、
また内外のピアニストの演奏までも細かく徹底的にチェック･･･
そうやって生まれた楽譜とのことでした。
こんな徹底した細かい作業、日本人だからこそ･･･って感じもします。
先生が「世界中の人に使っていただきたいと思って作った。｣
と言っておられたけど、
きっと、世界中の人達に注目され、「ラヴェルの楽譜ならこれ！｣
と言われるものになるだろうなー･･･
我々日本人はどうも「舶来好き」と言うか･･･
日本の楽譜をやや軽んじて、外国の「〇〇版」なんてのを
ありがたがってしまう傾向にあるのだけれど･･･
これからは、こうして日本の優れた人たちが研究し
世界に発信していく楽譜が、
世の中に残っていくのかもしれないなーと思いました。
いやはや、三善先生･･･この先生ご自身が、
日本の財産･･･です。
