2008年07月28日の一覧

「音楽」に救われる・・・

先日、元生徒で
現在は自宅でピアノ教師をしている
Hさんから電話がありました。

Hさんが以前教えていた生徒から
久しぶりに連絡があり、
音楽大学を受けたいと言っているので
相談に乗ってほしい、と言うことでした。

なんでもその生徒さんは
中学3年のころから学校に行けなくなり
高校も行かずに過ごしていたのだけど
今は大検(高校卒業認定試験)の勉強をしており
それが来春には合格できそうで
大学は音大の声楽科に行きたいと希望している
とのことでした。

具体的なことは何一つ調べてもいないようだったので
とにかく彼女の希望する大学の募集要項を取り寄せ
試験科目を調べ、
必要な教材も揃えた上で、昨日2人に来てもらいました。

まずは歌の先生は、知り合いに紹介してもらって
8月から習うことになった、とのことで、これは大丈夫・・・

楽譜はちゃんと読めるのかな?と思い
ソルフェージュの教材を渡して歌ってもらいましたが・・・
これもOK!

次は副科ピアノ・・・
ピアノも学校に行けなくなったときから辞めてしまったとのことで
4年ぶりぐらいになるらしいのですが、
ここ数日特訓した、というソナチネは
思っていたよりもちゃんと弾けていました。
これも・・・あと数ヶ月あれば大丈夫!

あとは音楽理論や聴音・・・これも今から頑張れば
大丈夫でしょう!

本人は「再来年の春くらいの受験を目指して・・・」と
言っていましたが
「そんな先伸ばしすることないよ。
 来春受ければいいじゃない。」とはっぱをかけました。

Hさんは、今まで受験生を指導したことがなく、
最初は全面的に私にお願いしたい
ということだったのですが、
Hさん本人のためにも、付きっ切りで面倒を見て
時々私が進行状況をチェックする、という形が
一番じゃないか、と言うことになり、
そういう形で来春の受験を目指すことになりました。

取り寄せておいた受験要項や学校案内を
目をきらきらさせながら嬉しそうに覗き込む彼女・・・
とても何年も学校に行くことができないでいる子には
見えませんでした。

何か、ちょっとしたことが原因で
どうしても学校に足が向かなくなってしまい、
そのままずるずると引き篭もってしまったのだと思います。

「音楽」を糸口に
自分自身で出口を見つけてくれたこと、
本当に良かったです。

Hさんと2人で、全面的に応援したいと思います。

こうやって、「音楽」に救われる子供たちを
今までも何人か見てきました。

この仕事をしてきてよかった、と思える瞬間です。

2008年07月28日 | この記事のみを表示 | 5.生徒のこと | コメント(2)