2008年09月11日の一覧
インヴェンション&シンフォニア
松江へは、広島から片道3時間半かかります。
このチャンスに!
買ったはいいけれど、まだ読んでいなかった本を
バックに放り込んで行きました。
この本です。↓
ピアノ教師 バッハ
教育目的から見た《インヴェンションとシンフォニア》の演奏法
村上 隆著
序文の「なぜバッハを研究するようになったか」
と言うところに
「正直なところ、生徒にバッハを次々と教えねばならず、必要に迫られたから」
という記述があります。
あら~!私も一緒だわ~!
子供の頃、バッハなんて特に好きでもありませんでした。
インヴェンションもシンフォニアも、延々と弾かされたけど
声部別に弾いて、その後全部の声部を弾いて暗譜して・・・
何が面白いんだろう、これ・・・と思っていました。
必要に迫られて・・・と言うのが、子供たちのコンクールです。
広島ではたぶん一番歴史の長いコンクール
中国ユースコンクールは、このバッハオンリー!
うちの生徒が参加し始めた20数年前は
インヴェンションもシンフォニアも曲目指定があり
1曲を延々数百人が弾く・・・という異様(?)なコンクールでした。
その中で、ただ「ちゃんと暗譜しました」的な演奏が
評価を受けるはずもなく、その頃から
「バッハ・・・どうすりゃえんよ!」と、
もがき苦しむ旅がスタートしました。
それから今まで・・・
何を勉強したかなんて書ききれるはずもなく、
とにかく楽譜、解説本、CDは買いまくり、
研修会、公開レッスンは行きまくり、
自分がレッスンを受けられるチャンスがあればまずバッハ・・・
手当たり次第やってきました。
その中で・・・バッハの偉大さ、面白さにハマって来たのも事実です。
過去の偉大な作曲家たち・・・ベートーヴェンやショパンまでもが
「バッハを勉強しなさい」と教え子たちに言っていた意味が
ようやくわかるようになってきました。
そして、きちんとバッハと向き合った生徒たち・・・
ポリフォニーを聴き分ける耳を持ち、
バロックの気品溢れるあの響きが、
指先のコントロールで自在に出せるようになった生徒は
確実に他の何を弾いても完成度が違ってくる、
と気付いた時、
かなり「バッハにはうるさいわよ!」教師になってきました。
たぶん・・・私はバッハを教える時には
人相が変わっている・・・と・・・(笑)
目と耳の端っこが「ぴぴ~~っ!」と
釣りあがっているような気がします。
端から端まで「ダメだし」をされた生徒が
しょんぼりしてしまうのも、肌で感じています。
ですが・・・
そうやって「ダメだし」オンパレードをした生徒が
自分で考え、聴き、感じ・・・
次第に変わって来た時にはたまらない喜びを感じます。
そんな生徒は、確実に伸びていきます。
で・・・
今回読破した、この村上隆先生の本ですが、
バッハの生涯、作品が書かれた経緯、バッハ自身の教授法、
またスラー、アーティキュレーション、装飾音に関して
自筆譜を交えたいろいろな問題点と解決方などなど
興味深い内容でした。
ちょっと難解な部分もありますが・・・
指導者にはお勧めの1冊です。
で、ちょっと楽譜棚のインヴェンションの本を
引っ張り出してみたら・・・
あるわあるわ・・・13冊もありました。
いや、まだ探したら出てくるかも・・・
私の「バッハ探訪」・・・は、
まだまだ死ぬまで続きそうですが・・・