2008年11月11日の一覧

音階

先日聴きに行った
福山の音楽コンクール、
2次予選は少し面白い課題の出し方がしてあり、
参加者は、選んだ課題曲を弾く前に
その曲の調の音階を弾く、ということに
なっていました。

例えば私が聴いた小学5,6年の部では
「二重唱」を選んだ人たちは
まずAs durの音階を2オクターブ弾いてから
曲を弾く・・・と言う流れでした。

で、聴いていて思ったのは
音階を弾いた段階で、もうその人がどんな演奏をするのか
予想ができてしまう、ということでした。

音階がしどろもどろの人は、やはり演奏もしどろもどろ、
音階がどたどたしている人は、やはり演奏もどたどた、
音階が流れがあり美しければ、やはり演奏も美しい・・・

これは予想をしていたことなので
参加する生徒にもそのことを話はしていたのですが・・・
実際聴いてみて、あまりの一致にびっくり・・・でした。

審査員の先生方
音階を聴いた段階で点数を付けていたりして・・・(笑)
それでも大きく外れることはないでしょう。

しみじみと、音階は「最小の音楽」なんだなーと思います。

音楽高校時代、音階とアルペジオの試験が定期的にありました。

その試験が嫌で嫌で・・・

何が嫌かといって、その前になると
延々音階とアルペジオばかりを練習しなければいけない・・・
それが嫌だったのです。

その思いが忘れられないので
生徒達にはできるだけ苦痛のないように・・・
何やかやと曲に引っ付けて
音階練習をしてもらうようにしています。

導入の終わりの頃、1オクターブの音階が
ぼつぼつ出始めたら
毎回今までやって調の音階を全て弾いてから
新しい調の音階を弾く・・・
ですから小1あたりの生徒でも
毎週レッスンで(家でも)6~7個の音階は弾いています。
一つずつ増えていってそれを加えているだけなので
それほど苦労もせず、みなさらさらと弾いています。

その後は全調2オクターブになり
4オクターブになり・・・
高学年、中学生となったら
今度は弾く曲(チェルニー・バッハも含め)
の調の音階を必ず弾いてから曲を弾く、
と言う流れにしています。

なのでうちの生徒達は、結構音階を弾く事が
身に付いていますが・・・

やはりレッスンの中でも、
音階がうまい子は、曲もうまいなーと言うことは
感じます。

それぞれ長さも太さも付き方も違う5本の指で、
並んでいる音の粒を全て揃えて、
そしてやはり音階といえどもそこに歌が存在しなければ
美しくは聴こえません。

音階・・・侮るなかれ・・・
やはり音階は「最小の音楽」なのです。

2008年11月11日 | この記事のみを表示 | 2.コンクール | コメント(2)