2010年05月08日の一覧
キース・ジャレットのヘンデル
今年ピティナのピアノコンペティションE級に
3人の生徒が参加します。
その3人のうちの2人は
バロックの課題
ヘンデルの組曲ト短調を選んできました。
この曲・・・原典版が手に入らない・・・
国内版も「春秋社版」1冊のみ・・・
せめて音源を、と思ったけれど
もちろん課題曲CDにも入っていないし、
ナクソスで探しても出てこない・・・
CDならあるかなと
アマゾンで探してみると・・・おぉ!ありました。
で、演奏者を見てびっくり!
キース・ジャレットとあるじゃないですか。
キース・ジャレットって・・・あのジャズピアニストの?
ですが、どうもジャズテイストの演奏ではないらしく
とにかく購入してみることにしました。
で、送られてきたCDを聞いてびっくり!
とても穏やかな、美しいヘンデルだったのです。
へ~~!
E級参加のHちゃんにそのCDを貸し出すと、
Hちゃんのお父さんはキース・ジャレットを良く聴かれるとかで・・・
「ジャズの人は、バロックの得意な方が多いそうです。」
との話を聞かせてくれました。
そうなんだ~~!
認識不足!!
バッハの作品の、ジャズアレンジの楽譜なども出ているので
ジャズのプレーヤーがバロックを弾くとしたら
「オリジナルとは違う」という先入観がありました。
で、そのCDですが・・・
購入したのは1ヶ月以上も前なのだけど
聴き続けていると、
めちゃくちゃいいんです・・・これが・・・
最近では車に乗っても、
まずはこのCDに手が伸びてしまいます。
奇をてらうところは全くないけれど、
秘められた躍動感、歌、ハーモニー感・・・
心の奥底にじわっと沁みてくると言うか・・・
神と語るヘンデル??
ま、とにかくいいんです。
ジャズとバロック・・・
実はとても近い存在なのかもしれません。
バロックの時代は
誰かの書いた作品を弾く、という習慣はなく
演奏者は自作自演、即興演奏が当たり前の時代だったのだから・・・
その場の雰囲気、演奏者のテンションの上がり具合
観客のノリ(?)で演奏がどんどん変化していく・・・
精神は共通するもののようですね。
それにしてもこのCD
今回のコンペの課題曲に選ばれなかったら
きっと私は出合っていなかっただろうな・・・