2012年06月19日の一覧

ナボレ先生のレッスン

お写真では
マフィアのボスみたい~~・・・と思いましたが
実際のナボレ先生は、いつも笑顔でとても気さくな先生でした。

2日間のレッスン、1分たりとも無駄にしないという姿勢で
受講者に熱血ご指導下さいました。
小柄な先生の、
どこにそんなエネルギーが隠されてるんだろうかと・・・

全ての生徒たちに一番たくさんおっしゃったことは
「楽譜に忠実に」です。

暗譜ができてしまうと、楽譜を見ないで練習してしまう、
ということがあるが、それは良くない。
何十年弾き続ける曲でも、毎日楽譜を見て、
新しい発見をしなさい。
新しい発見をするために、練習するのです・・・と。

楽譜を正しく・・・と言うのは、
「リズムを正しく」
「フレージングを正しく」
「スタッカートを正しく」
「アクセント記号を正しく」
「休符を正しく」
などなどです。

書いてあることが、きっちりと演奏できているか・・・

また強弱に関しては、特に厳しかったように思います。

どこにフォルテが書いてあるのか、どこにピアノが書いてあるか、
そのフォルテがメゾフォルテになっていないか、フォルティッシモになっていないか、
クレッシェンドはどこからどこまで書いてあるのか・・・

何となくではなく、書かれていることが本当に実行できているか・・・

またテンポに関しても、とても厳しく言われました。
テンポを、何も指示されていないところで変化してはいけない。
例えばアパッショナートと書いてあるところでも、
情熱的には弾くけれども、アッチェレランドとは書いていない・・・などです。

もちろん、個々の曲に関して、作曲家のこと、曲の背景などのお話もありましたが
大半はこの「楽譜に忠実に」に時間を費やされたように思いました。

楽譜を正しく、と言うのは、当たり前のことではあるのですが、
ここまで徹底して・・・ということには衝撃的でした。

あと、ペダルのことも、たくさんおっしゃいました。
手の方は一生懸命練習するけれど、
足をちゃんと練習する人が少ないね・・・と。

また「和音は全部の音を聴きなさい!」は
何度も何度も出てきた注意でした。
そして、その和音の変化にもっと耳を傾けなさい。

多声部になっている曲は、全ての声部を聴きなさい。
その上で、バランスを注意深くとりなさい。

あと演奏中、肩が上がってしまうことや、
必要以上体が動いてしまうことに対して、
それでは鍵盤のコントロールができなくなるので直しなさい、
という注意もありました。

ここまで読まれて・・・あら?っと思われた方も多いと思います。

いつも先生に言われていることだわ、とか
いつも生徒に言っていることだわ、とか・・・

そうなんです。
とーーっても基本的なことばかりだったように思います。
ただ、それを徹底することの大切さを学んだ気がします。

このJr.G級のスーパー中学生でなくても、
もっともっと小さいうち、簡単な曲を弾いているときから
きちんと身につけて行かなければならないことだと思いました。

ただ・・・
あまりに楽譜に忠実にするあまり、
現代のピアノでは「???」という部分もあったのも事実です。
(特にペダリングなどは・・・)

1つの曲を、現代のピアノを使って
現代の聴衆に向かって
最大限の表現をする、という考え方もあれば・・・

過去の偉大な作曲家たちの遺産を
できるだけ忠実に受け継いでいく・・・という考え方・・・

どちらが正しいとか、間違っているかではなく
後者の考え方を貫いておられるこの先生のレッスンを
2日間たっぷりと受講できたことは
私にとってはとても大きな収穫でした。

以上、私の、
とーーっても偏っているかもしれない・・・感想でした。(笑)

それにしても、この16名の受講生たちは
みなさん素晴らしかったです。

これから高校生、大学生となり、
中にはピアニストになられる方も出てくるかもしれません。

何かのご縁です。
陰ながら応援したいと思います!

今週のお花

ヘリコンア
エルムレス
アンスリウム

2012年06月19日 | この記事のみを表示 | 2.コンクール | コメント(2)