少年よ・・・

2003.3.12

今日レッスンのA君、
青ざめた顔でレッスンルームに入ってきました。

「先生、ぼく発表会ダメじゃ・・・失敗する・・・」

先週のレッスンのあと風邪をひいてしまい、
学校もしばらく休み、ピアノもほとんど練習していないと言うのです。

それでも弾いてもらうと・・・ちょっと元気はないけどちゃんと弾けてる・・・

今回の曲は、楽譜を渡した頃俄然頑張ってくれたんで仕上がりも早く、
少しくらい弾けない日があっても大崩れはしていないのですが・・・

「大丈夫じゃない。心配ないから・・・
今日からまた頑張ればいいじゃない。自信を持って・・・」と言うと、
「自信なんかないよ・・・」と・・・

そう・・・この子の最大の弱点はこの気の弱さです。

昨年の6月のステップでは、直前になってお母さんが
私のいる控え室に駆けこんで来られました。

「Aが泣いてるんです・・・先生、声をかけてやってください・・・」

急いで行ってみると、ぼろぼろ涙を出して泣きじゃくっています。
「先生、ぼく最後の和音、わからんようになった・・・よー弾かんよー・・・」

「え~?最後の和音?えーっと・・・ 左がファド、右がラファでしょ!」

何とかなだめすかしてステージに立たせて、無事演奏も終えたのですが・・・

「A君はね、そうやってステージに立つ前はいつも弱気になる。
それを直さんとね。
やることはやったんだからね、あとは自分を信じてあげんと!」

「信じられんよ・・・」

「なーに言ってるん。自分が自分を信じてあげんで誰が信じるん?
大丈夫、自分はやれるんだ!ってね。
人間はみーんな弱いんよ。
だからね、最後の最後は自分を信じて、自分で自分を支えるの!
わかった?」

い~ろいろ話して最後には
「うん、わかった。頑張る・・・」
と言って帰っていったけど・・・

は~・・・日曜日、うまく行って自信をつけてくれればいいんだけど・・・

少年よ・・・この春からは中学生だよ。
もうちょっとしっかりしてくれ~!

女の子にはこんな子、いないんだがな~・・・

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