自衛隊派遣
2004.2.2
この土日は、山口の両親の故郷の島に帰り、
母のお墓参りをしてきました。
幸いぽかぽか陽気だったのでごしごしお墓を磨き、
きれいなお花を供えて、しばし海の見える墓地でぼ~っとしてきました。
母のことと言えば、忘れられないことがあります。
もう20数年も前のこと・・・
その当時高校3年生の弟が、
何を思ったか、防衛大学校を受けると言い出したのです。
自衛隊に憧れるとか、そんなタイプではまったくなかったので
周りの家族はびっくり・・・
たぶん、2人のバカ姉が2人とも私立の大学へ行き
なんとそのうち1人はバカ高い音大なんぞに行くし、
定年の迫る父の懐具合も心配して、
とにかく学費の要らないところへ・・・とでも思ったのかもしれません。
でもまあ、どうせ受かりっこないし・・・と思っていると、
なんと合格してしまったのです。
その時弟が母に言った一言・・・
「かあさん、防大に行ったら、息子はおらんかったと思ってね。」
この一言にはたいして深い意味はなく、
あまり長い休みもないだろうし、入隊後も全国を点々とするだろうし、
ちょくちょく広島には帰って来れないだろうから・・・
くらいの軽い気持ちで言ったのでしょうが・・・
その一言で、母はがっくりきて
急に無口になり、むちゃくちゃ落ち込んでしまったのです。
そのことがきっかけかどうかはわからないけれど、
結局弟は防大には行かず、一浪して関西の某大学に入り、
今は普通(?)のサラリーマンとなって家庭も持ち、幸せに暮らしています。
当時私は、母があそこまで落ち込むことが、理解できずにいました。
自衛隊に入ったって、日本は戦争放棄したんだから
別に危険な目に遭うわけでもないのに・・・
そして今、自衛隊のイラク派遣のニュースを見るたびに
とても複雑な思いでいます。
もしあの時弟が防大に入っていたら、
年齢的に言っても何人かの部下を携えて、
イラク行きの飛行機に乗り込んでいるかもしれません。
私や父や姉は、どんな気持ちでいるだろうか・・・
今、自衛隊員のご両親、奥さん、兄弟、恋人・・・
どんなつらく苦しい思いをされているんだろうか・・・
とても他人事とは思えないでいます。
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