T先生・・・

2005.8.4

一昨日の中国Ⅱの本選会場では
私はスタッフとして1日お手伝いさせて頂きました。

「生徒さんの演奏が聴けた方がいいでしょうから・・・」
という事務局の配慮で、私の仕事は「ドア係」・・・
会場の内側で、演奏中に入って来られたりしないように
見張る係りでした。

演奏中、バカ力でドアを開けようとする
どこかのおじいちゃまと、
ドアの内と外で壮絶な引っ張り合いをしたり・・・(笑)

そんなことも時にはあったけれど、
朝から晩まで、たっぷりと演奏も聴く事ができたので
大満足の一日でした。

その中で・・・

連弾中級に、山口のT先生が出ておられたのです。

T先生とは、5年前はじめてのステップの時に
アドバイザーとして来て頂いて以来のお付き合いです。

私より少々(?)歳も上のT先生・・・
高校生の生徒さんと、みごと予選突破して
本選の舞台に来られていたのです。

私の姿を見つけたとたん・・・
「も~、会いたくない人に会っちゃった。
 はずかし~~!聴かないでね~」

「いーえ、しっかり聴かせていただきます。(笑)」

そして先生たちの演奏が始まりました。

譜面立てを起こし、楽譜を広げ、
そっと老眼鏡を取り出して・・・

演奏が始まった瞬間、何故か私は涙がどど~~っと
流れてきました。

何なんだろう・・・よくわからない、
とにかく涙が止まらなくなりました。

各地から集まってきている他の強豪のデュオたちと比べ、
決して達者な演奏とは言えないのだけれど・・・

私にとってはとても感動の演奏だったのです。

コンクールの課題曲が決まってからのこの数ヶ月
どうすれば生徒たちがもっとうまく弾けるだろうか、
どうすればよい評価をもらえるだろうか・・・
そんなことばかり考えていた私に
T先生の演奏は、
「さわださ~ん、音楽ってもっとおおらかなものだよ。
 力をぬいて、もっと楽しんだらいいじゃない・・・」

そう語りかけてくれているようでした。

張り詰めていたものが、ふ~っと解けていくような
そんな演奏だったのです。

今日は最後の本選会場に出かけ行きます。

それぞれの参加者の顔を思い浮かべると
またまた涙が出そうになります。

レッスンではみんなにごちゃごちゃ細かいことも言ったけど・・・

最後の最後は、気持ちよく
自分の演奏をして欲しいと思っています。

また泣くかも~・・・
ハンカチ忘れずに行かなくっちゃ・・・(笑)

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