トマト先生

2002.8.20

この夏、うちの父が通っていた小学校が取り壊される事になり、
それを機に発行される記念誌に、
父が「小学校の思い出」を投稿するように依頼されました。

迷わずに書いたその思い出のタイトルは「トマト先生」・・・
父の小学校1年生の時の担任の先生のニックネームだそうです。

新卒で父達のクラスの担任となったその先生は、
チビでデブで(父がそう書いている・・・(^^;….)
顔がまんまるのトマトそっくりの女の先生だったそうで、
みんな「トマト先生」と呼んでいたそうです。

ものすごく厳しい先生で、
悪ガキだった父はいつもその先生に悪い事をしては叩かれ、
母親(私の祖母)にまで、
「悪さばっかりして、トマト先生に言いつけるよー!」と言われ、びびっていたとか・・・

その、おといしい(山口弁で「怖い」ということです。)トマト先生が、
父が成人して国鉄職員となり、山口のある駅の助役として勤務していたとき
ひょっこりと駅に訪ねてこられ、「あんなに悪かった子がねー」
と言って、白米をどっさりお土産にくださったのだそうです。

戦後の食糧事情の悪いとき、もちろん白いご飯などめったに口に入らなかったときですので、
うちの父は大感激し、嬉しさのあまり先生の住所も聞き忘れ、今に至っている・・・
と言う内容の文だったのですが・・・

それを読んだ記念誌の編集をされた方が、そのトマト先生の居所を調べて
うちに連絡してくださいました。
なんと今90歳・・・まだお元気だったんです。

さっそく父と姉が先日そのトマト先生に会いに行ってきました。
75歳の父と、90歳の恩師との感激の対面です。
(で・・・なんとトマト先生、本名は「キクエ」さんでした。(^o^;…)

いまでもとってもお元気で、
昔の事もとってもよく覚えておられ、昔話に花が咲いたようです。
39年教職を勤め上げ、今はご主人や子供さん、お孫さんに囲まれて
静かに暮らしておられたそうです。

「昔はね~、とにかく教育は厳しく・・・と上からも言われていてね~・・・」
とおっしゃられていたとか・・・
でも厳しくても愛情に溢れていた先生だからこそ、
うちの父も70年近く頭に残っていたのでしょうね。

またまたトマト先生、うちの父に家で作っているお米を
お土産に持たせてくれました。

おいしいんです・・・そのトマト先生の作ったお米・・・

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