ボケ防止にはやっぱりピアノ?

これは当教室の卒業生で、現在神戸でピアノ教師をしている折田信枝さんさんが、新しい音楽教育を考えるシンポジウム(東京国際ホールにて)に参加し「脳機能から見た音楽療法」という講演の内容をまとめて送ってきてくれたものです。ちょっと興味深かったので転載します。

 人間性を形作る脳の役割には、左脳の知性と、右脳の感性があり、どちらが欠けても、心豊かで判断力を持った人間にはなれないものです。しかしほとんどの人がどちらかに偏っているわけで、左脳の方がより発達している人を計算人間、右脳の方が発達している人を感性人間、と識別することができるとします。

 左脳人間は計算や勉強は得意ですから、仕事はできます。 しかし、仕事がないとき、定年を迎えた人など、右脳を鍛えてないばかりに、ボケてしまう人がほとんどなのです。

 美しい花を美しいと感じる、美しい音楽を快く感じる、楽しいゲームを友達と楽しむことができる。これはすべて右脳の担当する場所であり、人生の楽しみであるそれらを左脳人間は不得意とするところなのです。

 一昔前迄は、勉強がどれくらいできるか、というのが人間の価値すべてのようにとらえられていましたが、右脳の素晴らしさが解明された現在では、教育の根底から変わろうとしている動きがあちこちで見受けられます。

 では右脳を鍛えるにはどうしたらいいか。
 それは14歳までに、音楽、スポーツ、演劇、絵画、などに親しむことで、大人になってもそれらに興味をもち、生涯それらを楽しむことのできる人間になることです。
 そういう人たちは、いろんな事に興味をもち、どんなジャンルのことでも比較的器用にこなすことができ、心豊かで、友達もたくさん集まり、実りのある人生を送ることができるのです。
なにか夢中になれるものを持っている人というのはほとんどボケる心配もなく意欲のある老後を送ることができます。
 14歳までに上記の何らかを楽しめた経験のある人は、大人になってピアノを始めたとしても、十分楽しみながら右脳を鍛えることができるし、人生の幅を広げることができます。
 また、小さいころから音楽と親しみ、ピアノの音色に聞き入ることのできる子供はやはり右脳人間となり、人生を楽しく器用に暮らせるようになるでしょう。

 一度しかない人生、彩りのある華やかな一生を送りたいものです。