嬉しい春です!

今日、広大の合格発表があり、高校3年生の聡君、無事教育学部の音楽専修に合格しました。
 彼は、高校入学してすぐの頃、うちの教室にやってきました。小さい頃ピアノを少し習ったけれどその後ずっとやめていて、また趣味で少しやりたい、という事でレッスンをスタートした生徒です。
 最初のレッスンで弾きたいと言って持ってきた曲は、キムタク主演のテレビドラマ「ロングバケーション」のテーマ曲でした。その後、めきめきと腕を上げ、高2の春突然、「音楽の道に進みたい。」と言いはじめたのです。
 女の子ならまだしも、男の子が音楽で食べていくのは並大抵な事ではないことを、私も同級生を見て痛感していましたし、いくらなんでもあまりにも遅すぎるスタートでしたので、私自身困惑しましたが、本人の「音楽以外に勉強したい事がない。」という一言で、彼の夢の実現のため、私もできる限りの事をする決心をしました。
 
 とは言っても、音楽の道を志している人達は、ほとんどの場合、小学校の頃からこつこつと色々な勉強を積み重ねていている訳で、たった2年間で他の人の10年分くらいの音楽理論、聴音、ソルフェージュ、それにピアノの勉強をしていかなければならないのは、本当に大変な事でした。ただ・・・やはり若いということは、素晴らしい事です。何もかもぐんぐんと吸収して、あれよあれよと言う間に力を付けていってくれました。
 昨年の12月には、学校推薦をもらって広大の推薦入試を受けたものの、それには不合格となってしまい、今回不合格になったら、浪人か・・・と言う状況でしたが、本当に合格してくれて、ホッとしています。
 
 これから大学での4年間、しっかりと音楽の勉強をして、将来彼がどんな風に成長するのか、どんな職業につくのか・・・私は影ながら楽しみに見守っていきたいと思っています。平坦な道ではないでしょうが、自分で選んだ道、きっと後ろを振り向かないで歩いていってくれると思います。
 この4月の発表会では、今回の受験で弾いた、ショパンのバラード第3番を弾いてくれます。彼の喜びと自信に満ちた演奏、本当に楽しみです。(2000.3.9 日記より)